選挙制度の基本的な事について

政治のニュースや話題になった時に、基本的な事が分からないと内容を把握しにくいと感じたりしますよね。

ここではそのような内容の話でもでもある程度分かるようにするために、政治について最低限知っておきたいとされる事について簡単にまとめてみました。

目次

選挙制度について

選挙の際に一つの選挙区から何人の議員が選ばれるかによって、「大選挙区制」「中選挙区制」「小選挙区制」「比例代表制」に分かれてきます。

大選挙区制

終戦直後から一時期採用された選挙区制で一つの選挙区につき複数名を選出する制度です。

メリット

  • 死票(落選者に投じられた票)が少なく国民の意志を反映させやすい

デメリット

  • 多くの当選者が出る事から多数の政党による政治が行われ混乱を招いたり、1つの政党が圧勝することがないので政権交代が起きにくい

中選挙区制

1つの選挙区から3名~5名の当選者を選出す制度で、1996年で廃止されました。

メリット

  • 大選挙区と同様に一つの選挙区から複数人の当選者が出るので国民の民意を反映させやすい

デメリット

  • 大きな政党だと立候補者を立てる時に派閥が生まれ、派閥間同士の競争のためにお金がかかったり差別化を図るために利益誘導の選挙になってしまう

例えば「私が当選すれば公共事業でたくさん道路などを作ります」等というように言って、その地元(又は産業毎に分かれた組織や団体)にお金が落ちるようにするわけです。

こうなると地元はその候補者を献金などで支援し、利益誘導に熱心な候補者が当選していくわけですが、これでは日本の政治は良くならないという事で中選挙区制は1996年で廃止されました。

小選挙区制

1つの選挙区から1人の当選者を出す制度です。

メリット

  • 1つの選挙区からは当選者が一人となるので、力の強い政党が勝ちやすく小さな党の乱立を防止して政局が安定しやすい
  • 多数派の支持を得た政党の議員が当選しやすく、民意が反映されやすい
  • 選挙区が小さいので選挙費用が少なくて済む(中選挙区制の約5分の1で可能)

デメリット

  • 1つの選挙区から1人しか当選されないので死票が多くなる
  • 少数政党が伸びにくくなる

比例代表制

各政党の得票率に応じて議席数が配分されるという仕組みです。
得票率は獲得した得票数を有効得票総数で割った値になります。

メリット

  • 死票が少なくなる
  • 少数政党も議席を確保しやすい

デメリット

  • 少数政党が多くなり政治が安定しない

現在の選挙制度「小選挙区比例代表並立制」について

現在の選挙制度は小選挙区制と比例代表を並立させて行われる「小選挙区比例代表並立制」になっています。

小選挙区制に比例代表制が合わせて導入されることで、それぞれのメリットは継承させつつ、小選挙区制のデメリットである「死票が多くなる」ことや、比例代表制でのデメリットである「少数政党が多くなり政治が安定しない」といった事をお互いに上手くカバーできるようになっています。

ちなみに衆議院選挙では小選挙区(全国300区)から300人、比例代表(全国11ブロック)から180人の計480人が選ばれ、参議院選挙では小選挙区(都道府県単位で47区)で146人、比例代表(全国1ブロック)で96人の計242人が選ばれます。

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